「塾講師のバイトはやめとけ」と耳にすることもありますが、実際のところはどうなのでしょうか?気になる方も多いと思います。確かに、収入が安定しにくい点や無給の時間外労働といった大変な側面があります。しかし一方で、人を教える喜びや短時間で効率的に稼げる魅力もあるのです。
結局のところ、「やめとけ」と言われるかどうかは、自分の価値観やアルバイトに求めるものによって変わります。そこで今回は、「やめとけ」と言われる5つの理由を解説し、塾講師に向いている人の特徴を紹介します。また、自身の体験談も交えながら、塾講師のリアルな一面をお伝えします。
この記事を読んでほしいのは、次のような方々です:
塾講師のアルバイトに挑戦したいけれど、自分に向いているのか不安な人。
2.初めてアルバイトをする学生
アルバイト経験がなく、自分に合った仕事を探している学生。
3.時給や働き方を重視する人
短時間で効率よく稼ぎたい、または時間外労働が発生するバイトの実態を知りたい方。
4.教育に興味がある人
教育に携わる仕事に興味があるが、自分が塾講師としてやっていけるのかを知りたい方。
5.バイト選びに迷っている人
さまざまなアルバイトの選択肢がある中で、自分に最適な仕事を見つけたいと考えている人。
ちなみに私の経歴は以下の通りです:
- 大学・大学院での6年間、個別指導塾講師としてアルバイトを経験
- 二つの塾で40人以上の生徒を指導
- 地区の代表講師として広報誌に指導方法を掲載
- 塾で出会った講師と結婚
「やめとけ」と言われる理由
理由1:思ったより稼げない?時給が安定しない実情
塾講師のバイトは、思ったほど稼げないケースがあるのが現実です。特に平日の授業は、生徒の学校が終わる夕方以降に集中するため、昼間の時間を活用することが難しく、コマ数が限られています。例えば、昼間に授業がない大学生や主婦の方も夕方からしか働けないため、効率が落ちやすいのです。
また、個別指導塾では生徒が入らなければ授業自体が発生しないこともあり、希望しても授業できない場合があります。さらに、夕方から3コマのシフトでも、最初のコマと最後のコマに授業が入り、間の時間がぽっかり空いてしまうことも。これにより移動や待機の時間が増え、収入が予想よりも少なくなることがあります。安定した収入を求める人には、この点がデメリットになるでしょう。
一方、長期休みの講習期間には、朝から晩まで授業が入ることが多く、一気に大きく稼げるチャンスがあります。
理由2:準備時間が無休…実質の時給が低くなることも
塾講師の時給は他のアルバイトに比べて高めに設定されています。一見、効率よく稼げるように思えますが、実際には授業前後に無給で行う準備作業が多く、実質的な時給が下がることもあります。
たとえば、授業前には教材の準備や前回の授業の進捗確認、また授業後には生徒の学習記録や報告書の作成などが必要で、これらが給与に含まれないケースが一般的です。また、新しく担当する生徒については、過去の指導内容や学習記録を読み込む必要があり、初回の準備に想像以上の時間を費やすこともあります。
このような時間外業務は、慣れていくことで効率化できるものの、初めは特に負担がかかりやすいポイントです。
理由3:保護者対応によるストレスとプレッシャー
塾講師のアルバイトには、成績向上を期待する保護者への対応が求められる場面があり、それがストレスやプレッシャーにつながることもあります。保護者は大切な費用を払っている分、生徒の成績が確実に伸びることを期待します。しかし、実際の成績は生徒の性格ややる気にも左右されるため、思うような結果が出ない場合、保護者が不満を抱くことがあります。
基本的には、こうした対応は塾長や社員が担うことが多いものの、バイト講師が授業方針を説明する場に立ち会ったり、保護者から質問を受けたりするケースもあります。このような経験は、将来の対人スキルや社会人としての対応力を磨く機会になる反面、ストレスを感じる人も少なくありません。
理由4:融通が利きにくいシフト
塾講師のシフトは生徒が固定で通う都合上、変更が難しい点がデメリットです。個別指導や集団授業に関係なく、生徒の授業スケジュールはほぼ1年間を通じて固定されることが一般的で、柔軟にシフトを調整するのが難しいのが現状です。
特に、突発的な予定が入ったときには、休みをとるために自分で生徒や保護者に授業日の変更を相談したり、代講できる講師を探したりと、自身で調整する必要があります。大学生であれば、就職活動の時期などはスケジュール調整に苦労することもあるでしょう。
こうしたスケジュール調整が必要になることを理解しておくと、突発的な予定が多い人にとっては計画的なシフト管理が重要になり、塾講師のバイトが続けやすくなるかもしれません。
理由5:生徒のやる気に左右されるモチベーション維持の難しさ
塾講師として「生徒の成績を上げたい」と熱意を持って始めても、実際には生徒がやる気を見せず、指導が思うように進まないことも少なくありません。どんなに工夫を凝らしても反応が薄い生徒がいると、指導自体が大変になるだけでなく、自分自身のモチベーション維持にも苦労するでしょう。
生徒の学習意欲が低いと、成果が出にくいことも多く、講師としてやりがいや達成感を感じる機会が減ってしまいます。その結果、限界を感じたり、「自分にこの仕事は向いていないのでは?」と悩んだりすることも出てくるかもしれません。こうした場合、気持ちを切り替えながら、長期的な目で成果を見守る姿勢が求められます。また、やる気を引き出すための工夫や声掛けも少しずつ学んでいくことが、講師として成長できるポイントといえます。
塾講師に向いている人・向かない人の特徴
向いている人の特徴
向いている人の特徴は以下の3つになります。
教育にやりがいを感じる人
塾講師の仕事は、生徒の成績向上を目指して日々取り組むやりがいに満ちたものです。成績が上がるまでに時間がかかることも多く、短期間で成果を感じにくい面もありますが、その分、目標を達成したときの喜びは格別です。
特に、生徒が志望校に合格したときの嬉しさはひとしおです。また、先生としての姿が生徒の憧れや目標となり、彼らの指針になることもあります。こうした経験は塾講師の大きな魅力であり、自身の成長を感じられるポイントでもあります。
短時間で効率よく稼ぎたい人
塾講師のアルバイトは、一般的なバイトに比べて時給が高めに設定されているため、短時間で効率よく稼ぎたい人に向いています。1日4〜5時間程度の勤務でも、安定してシフトに入ることでしっかりと収入を確保できます。
特に、夕方から夜にかけて働ける人や、他のバイトと掛け持ちしている人には非常に有利です。効率的な高収入を求める方にはおすすめの仕事といえるでしょう。
社会人のスキルを身に着けたい人
塾講師のアルバイトは、社会人スキルを身につける絶好の機会です。教育業界に限らず、幅広い業界で役立つコミュニケーション能力や問題解決力、時間管理スキルなどが磨かれ、就活やその後のキャリアにも大きなアドバンテージとなります。
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向かない人の特徴
向かない人の特徴は以下の2つになります。
しっかりと稼ぎたい人
時間をかけてしっかりと稼ぎたい人には、塾講師よりも朝から深夜までシフトに入れるアルバイトが向いているかもしれません。単純に働く時間が長ければ、それだけ収入も増えるため、たとえばカフェやコンビニのようにシフトが柔軟で、長時間働ける職場の方が収入面では有利です。また、接客業や飲食業は勤務時間帯も幅広く、効率的にシフトを組むことでさらに収入を伸ばすことが可能です。
自由にシフトを組みたい人
突発的なイベントが多く、柔軟に予定を変更したい人には、塾講師の仕事は向いていないかもしれません。塾講師は基本的に生徒のスケジュールに合わせて働くため、授業の時間を変更したり、急な休みを取ったりするのは難しい場合が多いです。その点、居酒屋やカフェなどのアルバイトは、シフト制であるため、毎週や毎月ごとに自分の都合に合わせてシフトを調整できるため、柔軟性が高く、突発的なイベントに対応しやすいという利点があります。
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